書籍・雑誌

2009.11.11

講談社新書の「生物と無生物のあいだ」は最高に面白い知的読み物!

 50になったばかりの青山学院大学教授、福岡伸一の書いた講談社新書の「生物と無生物のあいだ」というこの本は、本当に面白かった。生命とは何かという根源的な問いに答えるもの。全く関係ないとも思えるようなアメリカの町の描写から、本題に入っていく。自然を見つめる鋭い視点が素晴らしい。只者ではない。

 野口英世の意外な実態、またウイルスは生物かという問いに答える内容、DNAをめぐる様々なミステリー、パズル。普段は実像が見えない科学者の生々しい真実。原子はあれほど小さいのに、生物はなぜあれほど大きいのかという話。

 私が特に面白かったのは、重窒素で標識化されたアミノ酸が、摂取された直後に体の全てに組み替えられていくということ。取り込まれたアミノ酸と同じ量のアミノ酸が分解されていくということ。つまり、我々の体は常に組み立て直され、常に分解されて排出されていくということ。体の全ての部分が固定的なものではなく、合成され分解されていく流れの中に存在するということ。

 また、エントロピー増大の法則というのも実に面白い。物理の話だ。全ての物理学的プロセスは、物質の拡散が均一なランダムな状態に達するよう、エントロピー(ランダム・乱雑さ)最大の方向へ動くということ。そこに達すると終わる。生物にとっては、それが死を迎えるということ。生物はそれを防ぐために有機化合物(食料)を取っているということ。エントロピーが拡大することを防ぐために食事をするということだったのだ。

 生命とは代謝の持続的変化であるというシェーンハイマーの見方は大変面白かった。筆者は「生命とは動的平衡にある流れである」と定義している。これは自分自身のとらえ方さえ変えてしまうインパクトのあるものだった。

 さらに小胞体の話も最高に面白く、興味津々と読むことができた。「内部の内部は外部」という考え方も示唆に富んでいる。

 タンパク質分子の全体の欠落より、部分的欠落の方がより大きな害を与えるというのも面白い。まるで折り紙のように織り込んでいくときの少しのずれが折りたためば折りたたむほど影響がおおきくなっていくという例えも納得できた。

 生命は物理法則に基づいて構成されている。欠落しても別回路で修正する。ちょっとやそっとでは壊れない巧妙な仕組みをもっている。いったい、だれがどのように、この仕組みを作り上げたのだろうか。存在と、時間こそ、神に相当する。

 この本は、新書大賞、サントリー学芸賞のダブル受賞を受けているそうだ。生半可な小説よりはるかに面白い。幸せな時間を過ごした。

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2009.10.03

八丈島で購入した「あしたば文化論」は面白かった!

 アシタバは最近はスーパーでも売っているが、伊豆諸島、特に八丈島では特別の植物。嵐の中で、多くの植物が枯れ果てても、アシタバはすぐに再生する。
 アシタバを食べると長生きするとも言われる。また、乳の出が良くなるということで、牛の餌によく混ぜたとも。

 また、不老長生の薬を探しに出た徐福の伝説が八丈島に残っていて、アシタバがその秘薬であるとも言われている。セリ科の植物で、ニンジン同様に根も食べる。

 アシタバについて記述されている文書をこまめに記録し、分析し、推論を組み立てている。なかなか楽しい本だ。作者はハチジョウ出身の金田弘則。
 
 育ててみたくなるが、3年でダメになると、江戸時代から言われている。さて、どうしようかな。

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2009.06.04

城戸久枝の「あの戦争から遠く離れて」がようやく届いた

 NHKで放送されていた「遙かなる絆」の原作、城戸久枝の「あの戦争から遠く離れて」がようやく届いた。5月16日に発注して、6月3日に配送だ。2週間と少し。これを遅いと感じるかどうか。まあ、とにかく手には入って良かった。ドラマでも見たが、ドキュメント番組でも見た。そして、今度は娘が書いた本だ。なかなか複合的、多面的だな。読むのを楽しみにしている。
 値段は1680円。Amazonで注文した。

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2008.10.21

国立科学博物館で買った、小林路子の「きのこの迷宮」は面白かった!

 国立科学博物館でやっている「菌類のふしぎ」展で、たくさんのきのこの絵の作品を展示していた小林路子さんの文庫本、「きのこの迷宮」を読み終わった。とっても面白かった。

 もちろん、キノコの情報も面白いのだが、小林路子さん始め、キノコに関わる方々の生き様が興味深い。ちょっと、他にはいない方々かもしれない。絵描きとしてきのこにのめり込んでいく過程や毒キノコ、松茸との逸話など、この世界の方しか語れない内容だった。崖から落ちた体験も面白かった。

 人間の機微を心得たユーモア溢れる表現に関心する。あまり書店では見かけない本だが、これは一読する価値がありますよ。

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2008.08.30

20世紀少年をもう一度読みたい

 私は漫画が大好きだった。特に、週刊漫画雑誌は沢山読んだ。
 少年サンデー、マガジン、キング、チャンピオン、ジャンプ、それぞれの創刊号から読んでいた。貸本屋さんでは、私専用のノートがあり、一度に20冊ぐらい借りる常連客でもあった。ジャンプは15年分ぐらいは倉庫にしまったあった。その他にもいろいろな漫画が蓄えてあった。
 残念ながら、それらの全ては手違いから廃棄されてしまった。何だか自分の青春が捨てられたようで、とても悲しい。そんなときに、全巻ドットコムの記事を読んだ。今回の20世紀少年の映画をきっかけに、また、漫画もよみたくなった。所々、抜けているので、より全部まとめて読みたくなった。ここで注文してみよう。
 

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2008.08.08

ハリー・ポッターの最終巻を読み終わった

 ハリー・ポッターの最終巻、「ハリー・ポッターと死の秘宝」を読み終わった。泊まりの仕事が多くて、購入してからさわることもできなかったのだが、ようやく時間ができて一気に読んだ。

 最初の「賢者の石」を読んだのはもう昔のこと。英語版では1997年、日本版は1999年12月の発売以来、2008年7月まで約9年間にわたって続いてきたこの物語。その間に映画化もされ、シリーズものとしては史上最高の売り上げを誇っている。まだ、これからも映画は続くので、その記録は塗り替えられていく。ここまでの人気を博した理由は何なのだろうか。

 一つは謎解きの面白さだと思う。なぜハリー・ポッターは生き残ったのかとか、ダンブルドアはハリーをどのように育てていくのか、スネイプは味方なのか、敵なのか、そしてまた、ヴァルデモートとの戦いの結末はどうなるのかなど、うまく興味を引っ張っていく。

 魔法や小道具も楽しい。いったい、どのような魔法があるのか、そしてハリーはどのような魔法が使えるのか、それぞれの物語に出てくる小物はいったいどのような意味を持つのか、魔法使いとマグルとの関係はどうなっていくのかなど、読み手を引っ張っていく。

 イギリスの伝統的な風景や建物、社会的な関係も彩りを添える。そして何よりも、ハリー・ポッターたちの成長の物語が私たちを引きつける。彼らの成長と多くの読み手の成長が重なって、共感を呼んだのだと思う。

 様々な伏線が後の流れと絡み合いながら、次第に解明されていくことも興味を引く。

 その中で、「愛、友情、勇気」という少年ジャンプのテーマのような理念も物語の骨格を形作る。

 最終巻で今までの全てが解き明かされる。ただ、あまりにも長い年月をかけて書かれた物語なので、忘れてしまったことも多い。一度また全部を通して読んでみると、きちんと流れをつかむことができるかもしれない。長い間、楽しませてくれた作者に感謝。でも、できたら通しで出して欲しかったな。
  

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2008.07.23

ハリー・ポッターと死の秘宝が、今日発売!

 日本語版のハリー・ポッターシリーズの最終巻、「ハリー・ポッターと死の秘宝」が今日発売される。私は今日から3日間出張。買えない、読めない・・・。帰ってからの楽しみにしておこう。
 はじめから全て読んでいるので、私としては見逃せない。面白くないとか、飽きたとかいう人も多いが、私は長い本が好きなので、このくらいはちょうどいい。
 イギリスのもつ古色蒼然とした雰囲気にあうこのシリーズは、昔、旅行したコッツウオールズのあたりの景色が思い起こされる。バースやローマもそうだったけれど、千年以上も前の遺跡が、すぐそこにあるのだからビックリしてしまう。石の文明が作り出したものは、なかなか滅びない。
 英語版を読んでいた人も周りにいたのだが、内容を話すような人はいなかった。楽しみを取っておいてくれた。どんな結末なんだろうな。

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2008.07.13

もうすぐ「ハリー・ポッターと死の秘宝」が発売

 7月23日にハリー・ポッター最終巻といわれる「ハリー・ポッターと死の秘宝」が発売される。実は私の周りでは英語ですでに読んでいる人たちがいる。私はじっと我慢。内容を言わないようにお願いする。誰かが何かを言っていても聞かないようにする。さあ、もうすぐ読める。今まで全巻読んできているので、ここまで来たら全巻を読みたいと思っている。
 正直に言えば、少し飽きてきたのだが、でも読み始めると一気に読みたくなる内容だ。

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2008.01.26

中沢新一の南方熊楠論、「森のバロック」を読み終わった

 粘菌学者であり、民俗学の孤高である南方熊楠の人生と書籍を元に、自らの宗教哲学を展開した「森のバロック」を読み終わった。南方熊楠その人の面白さと中沢新一そのものの思考の面白さで結構知的な欲求を満たしてくれる本だった。

 南方熊楠の提示した多層的な発想法は共感できるところがある。また、粘菌そのものに生命の面白さを感じていたこともよくわかった。

 なぜ、神社を統廃合しようとしたことに反対したのかも理解できた。

 しかし、次第に中沢新一その人の宗教論が強くなっていく流れには、少し抵抗があった。熊楠を持ち出さずに自分の論拠をかくならそれでも良かったのだが。やはり面白かったのは熊楠その人の人生と絡んだ部分。

 幼少から外国に渡り英国で活躍し、燕石についての論文を作り上げる過程まではとても面白かった。当時の大英博物館での彼の存在は貴重だっただろう。南方曼荼羅を始め、多層的に考える発想法はとても共感できるものだった。単純な因果関係や、原因を特定させてしまう方法の限界もよく指摘されていた。

 私も粘菌を調べてみたくなった。

 後半は、あれだけ頑張って調べた中沢新一さんへのご褒美という感じかな。でも、かなり面白い本なので、皆さんも読んでみたらどうですか。

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2007.01.19

月刊アスキー第3号の面白さ

 今、月刊アスキーが面白い。「ビジネスとITのギャップを埋める」と言っているだけ合って、日本の社会のこれからを見通して、これからの時代に生きる個人個人の行き先を共に考えていこうとする姿勢が感じられる。未来が感じられるのだ。もう会社や組織を信じることができない時代だからこそ、一人ひとりが自立して、道を切り開いて行かなくてはならない。その時の情報源の一つとして評価していいのではないか。
 今月号、特集1,2があって、どちらも面白かった。その中で特に興味があったのが「さよならニッポンのホワイトカラー『フラット化』の衝撃」という記事だった。これはアメリカのニューヨークタイムスのトーマス フリードマン著の「フラット化する世界」という本を下敷きにした記事だ。そこに野口悠紀雄氏のインタビュー記事の「フラット化に出遅れた日本にはたして勝機はあるのか?」、さらに編集部による「広がる格差、その是正に貢献する日本のフラット化現象」という記事、最後に山形浩生氏の「世界のフラット化できない部分とは」という記事で構成されている。
 野口氏の記事の中に、「ネットワークのコストが限りなくゼロに近づいたことで、世界の労働力をダイレクトに使えるようになった。地球規模のオンラインアウトソーシング、これが21世紀型のグローバリゼーションだ。」という内容が指摘されていたが、これは日々感じていることで共感できた。また、「オンラインアウトソーシングの結果、賃金は平準化に向かう」という指摘もうなずける内容だ。私たち日本人一人ひとりの賃金は確実に低下している。会社は儲かっているが、個人は豊かにならない。90年代の初めトップだった賃金はすでにイギリスにまでに抜かれたそうだ。
 この状況の中で、私たちが自らを生き残らせるためには、「自らの相対的優位な場から手をつけていくべきだ」という提案だ。フリードマンは「無敵の民」になるために、「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されることがない人」が必要なのだと書いているそうだ。さて、私はどういう人なのだろう。
 いろいろこれからの人生に示唆となる内容だった。

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2006.10.27

月刊asciiは面白い!

 長い間、パソコン雑誌としてその世界に君臨してきた月刊asciiがリニューアルした。なぎら健壱が一時的に編集長ということで内容の変更を試みていたみたいだが、「ビジネスとITのギャップを埋める」というタイトルで新装オープンしたのだ。外見は週刊asciiと同様で結構軽い感じになっていた。薄目の表紙はかってのasciiの面影はない。最近はやりのあおりを加えた焦点ボケの写真が掲載されている。本城直希という人の写真だ。もともとMarcRaderという人の作風だそうだが。
 開けてみるとまた内容はビジネスに関する様々なニュースがのっている。TOPINTERVIEWはスマートコネクトの社長、岡本充由さんのインタビューがのっている。少し未来の展望が語られている。「STARTUP」というショートニュースが13タイトルものっている。通常の内容より詳しく面白い。またロングインタビューとして元ボーランドの会長をつとめた原丈人さんのインタビューがのっている。これはかなり面白く、新しい視点から現在の、そして未来のITというものを見ることができる。しかし、2回に分けた理由はわからないが。この内容は一度に読みたかった。
 JUSTの進めているxfyの記事も面白かった。これはXMLに対応したプラットフォームということだが、単なるワープロではない。データベースと連動する新しいツールとしても注目されているようだ。これが将来の道具になるかもしれない。
 ケータイ3キャリアの通信簿という記事も興味ある内容だったが、目新しいものはない。というより、ソフトバンクの0円という新しい提案が出る前の記事であるため、ちょっと内容がずれてしまった感じだ。
 「私が投資したいアイデア20」も面白い。ただ、具体的な内容はもう少し調べてみないとわからない。ちょっと中途半端かもしれない。
 マインドマップの使用法と考え方も参考になった。これは手書きではよくやっているが、パソコンではなかなかできない作業だった。昔、私が開発した「大広間」というソフトで考えた「人間の脳の仕組みはまるで蜘蛛の巣のように複雑にからまりあって維持され、発展していくものだ」ということと同じだなと思った。
 とにかく、これ以外もとても興味深い内容の記事が多く、力が入っていていいなと思った。次も買うぞ!

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2006.08.01

金持ち父さん貧乏父さんを読みました

 ロバート・キヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」を読みました。この本は自分の本当の父親を、一般の人たちの代表として描いている。良い学校を出て、良い職場につき、尊敬されていたが、結局は貧乏な生活を送った貧乏父さん。それと対比し、学歴はないけれど、金持ちになる道を自分に教えてくれた金持ち父さん。現在の自分の豊かな生活があるのはこの金持ち父さんの教えのおかげだと延々と書いている。
 金持ちになる秘訣のようなものが書いてあるが、本当のところはどうすればいいかわかるものではない。日本の法律とも違う。時代も違う。だからこれを読んだからといってすぐに金持ちになるわけではない。しかし、幾つかとても興味がある示唆もあった。
 一つは、欲しい物があったら、あきらめるのではなく、何とか手に入れる方法を考えなさいという言葉。お金は自分で作る物なんだということだ。これは悪いことはしないことを前提にし、その方向で努力することは正しいですね。またいい教育を受けた人が金持ちになるわけではないということも現状から納得。その他に、現状の学校教育がお金の事を全く教えていないことへの批判。それも理解できる。あまりにも現実離れした教育の体系が社会に出てから役に立っていないことは明らか。
 でも、お金がなくても幸せな人生もあるということも、この人にはわかって欲しいと思う。お金があるから幸せであるとは全く思わない。でもお金があっても幸せな人生という物もあると思う。自分としては、毎日自分の好きな仕事をして、充実した時間を送ることができればそれでいいと思う。結果としてお金が入ってくればそれでいいが、一生使い切れないお金を稼いでも仕方がない。
 目標の実現のために必要なお金は稼ごうと思うが、それはあくまでも目標あってのこと。彼は50才になる前に引退したそうだが、そこからの人生は何をやっているのだろうか。仕事は楽しくなかったのだろうか。
 この本は、お金を稼ぐことはいけないことではないという資本主義、プロテスタントのセット本みたいなものだと思うが、お金を稼ぐのは簡単そうに思わせることには成功している。また失敗を恐れるなというアジテーションとしても説得力があった。私自身、ある程度の行動を起こそうと思った。そういう意味では、古い(?)日本人の上昇志向をお金の力で破壊してみせたこの本は新しい時代の象徴的な意味合いをもっていたのかもしれない。

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2006.06.06

ハリー・ポッターと謎のプリンス

 ハリー・ポッターと謎のプリンスを読んだ。

 前からこのシリーズは読んできたが、最近は少し熱が冷めてきた感じだ。面白いのだが、私の記憶力では、誰が誰だかわからなくなってきた。この6巻もそんな感じだ。まず、1年ぶりに読むわけだから、登場人物を思い出さなくてはならない。ポッターやダンブルドア、ハーマイオニー、ロン、ヴォルデモート、ハグリットは別にして周辺の人物の印象は薄れている。また前回起きた事件もほぼ忘れている。前の巻の復習から始めなくてはならないのがつらい。もう全巻が出ているのだったら、きっと一気に読んでしまうだろうが、このように長期間、1巻ずつ出てくると、気持ちも頭も続かない。よくみんな続けて買いますね。
 今回の話はストーリーとしては面白いと思う。またイギリスの状況も反映していると思う。テロと戦うこの国の人々の気持ちが表れていると思う。イギリス人ってイスラムを無条件でつぶすべき対象としてみているのだろうか。自分への疑いはないのだろうか。
 また全編を通して思うのだけれど、なぜグリフィンドールだけが良くて、スリザリンは良くない存在として描かれなければならないのか。同じホグワーツの学校の寮の仲間ではないのか。なぜ頑張ったら寮の得点が与えられ、ミスをしたら寮の得点が減らされるのか。イギリスの私立学校ってこんなに全体主義的なのだろうか。
 また魔法使いとしての純血が描かれているが、逆に言うとそれぞれの出身によって、差別が存在するのだろうか。また魔法省と対立する場面がしばしば登場するが、権力はそんなに市民の生活に介入してくるのだろうか。
 今回の悲惨な結末も、これからの劇的な展開の序章として作られているとは思う。そうでないなら、最終章での歓喜は生まれないからだ。このシリーズの最後はきっと劇的な勝利を迎えて終わるに違いない。正義と悪が二元的に描かれている構造は、イギリスだけでなく、アメリカ、ハリウッドも同じだ。日本人の感覚からいうと、違和感がある。でも世界の多くの人たちはこのような感覚で相手を見つめ、自分の生き方を決めているのだろう。
 でも、第7巻がどのような内容になるかあらゆる意味で楽しみにしている。ここで作者の思想、世界観が完結する。真実の意味で、作者の思想性が問われることだろう。

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2006.05.29

天使と悪魔を読みました

 ダビンチコードの主人公、ラングドン教授のシリーズ、「天使と悪魔」を読んだ。ダン・ブラウンのシリーズは大きなテーマを持っている。そのテーマをサスペンス仕立てで豪快に展開させる。反物質の話はおまけみたいなもので、そう重要ではないが、まあ通常のプラスチック爆弾よりは興味を引かれる。昔、反物質の世界が存在し、もう一人の自分が別の世界に存在するなんて話を読んだことがある。

 今回のテーマはやはり宗教だ。私の祖父は牧師だった。キリスト教の事については私も意見を持つ。若い頃にはニーチェの「神は死んだ」という言葉に魅力も感じた。全てを神の所為にしたり、何もせずに神に任せる態度もいやだった。傲慢こそ、若さの象徴だった。今でもその名残はある。たとえわずかでも自分の力を試してみたくなる。もともと人間はたいしたことなんかないのだから。だからこそ、挑戦するんだと思う。
 この本も、日常、たいしたことなく存在している普通の人間が、巨大な組織、そして巨大な歴史を持つ権威に挑戦し、そしてそれを打ち倒していく行為の気持ちよさをあらわしていると思う。宗教は、多分そのための味付けなんだと思う。いかにも何かありそうな、そして本当は解決不能な内容、どちらにも解釈できる問題を扱いながら、物語は進んでいく。いかにもダン・ブラウンの作品だ。
 ありえなかったのは、ヘリコプターからのジャンプだ。いくらなんでもこれはないんじゃないか。計算上、ありえないでしょう。本気で計算してくれる人がいないかな。どのくらいの面積の布が必要かすぐにわかりそうなものだ。撮影も大変そうだな。これも映画化されるようなので。
 ダビンチコードを読んだ人は、当然、この作品も読むだろう。謎解きとサスペンスのストーリーは荒唐無稽だけれど、宗教論争を絡めた内容はやはり面白い。楽しめると思う。
 ところで、聖書の研究や資料では、忍の聖書研究解読室が面白かった。最近、ダビンチコードの映画でアクセス数が増えているそうだ。このブログも何でか、ダビンチコードで数多くアクセスが来ている。なぜだろう?
 

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2006.05.27

デセプション・ポイントについて

 ダビンチ・コードで有名なダン・ブラウンの三作目のデセプション・ポイントを読んだ。NASAに絡んだ小説でこれも、いかにもハリウッド映画になりそうな内容だった。ダン・ブラウンは権威といわれるものをうまくまな板にのせていく。大統領やNASA、そしてカトリック教会などに対して恐れずにその問題点を指摘していく。権力を持つ物に対して立ち向かう一個人の活躍をサスペンス仕立てで描く。実際にはあり得ない困難を乗り越え、強大な権力に一泡吹かせる快感を読む者に与える。登場させる材料も面白い。今回は隕石だ。小説を書く前に様々な調査をし、その材料を上手に調理している。

 しかし、問題点も見えてくる。本作品は隕石の中にある化石やその組成内容が地球に関連する物質ではないとする根拠がこちらに伝わらない。ダン・ブラウンは当然調べてわかっているのだろうが、こちらは最初から知らないのだから、根拠を示されてもそんなものかとしか思えない。単純に見抜けないのが変だなと思ってしまう。そこらへんで、読んでいる最中に中に入り込めなくなってしまう。本当っぽくはないが、「まあ、いいか。」と思いながらストーリーを追う感じ。
 小説を書くときの難しさが見える。特に現実の組織を出しながら、その問題点を指摘する裏の流れがあるのだから、やはり迫真の内容にできたら良かったと思う。ダビンチ・コードの方が下調べが行き届いている感じがした。
 でも、彼の書く小説にはいかにも若々しいエネルギーを感じる。これからも注目していく作家の一人と言えよう。

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2006.05.06

「パズルパレス」読みました

 ダン・ブラウンの初めての著作である「パズル・パレス」を読みました。「ダビンチコード」や「天使と悪魔」、「デセプション・ポイント」も読みましたが、それに劣らず面白かったです。後書きなどでは、出来が悪いようなことが書いてありましたが、そんなことはないですね。十分楽しめました。
 この本は暗号についての話が中心になりますが、様々なデータを事前に調べ、それらの内容を物語の流れの中に上手に散りばめてあります。日本人や日本に関連したことが出てきますが、名前が全く日本人らしくないところがご愛敬です。舞台となったNSA(国家安全保障局)はアメリカの生命線と言われているモノですが、日本でも三沢基地にそのアンテナがあるとのことです。世界中の情報を集めている怖い存在の機関ですね。
 私も小さい頃、暗号の話をエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」で読みました。その時に言語学の一端をのぞいたようでとても興味深かったことを覚えています。英語で一番多く使われる文字、単語から解いていくという物ですね。私も真似て作ってみて、友だちに出したりして遊びました。大学でも言語学に興味を持ってソシュールの言語学の勉強をしようとして、あまりの難しさにあきらめたことがあります。私の頭脳では、せいぜい、アナグラムや回文を楽しむ程度かもしれないですね。
 パソコンを使うようになってからは、プログラムで暗号を作成しようとしたこともあります。でも、多分うまくいかなかったと思います。結果を覚えていませんから・・・。
 暗号については暗号入門講座が詳しいです。とりあえず、シーザーの暗号でも問題にしてみますか。

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2005.03.13

ダビンチコードについて

 ダビンチコードを読みました。また、偶然昨日ダビンチの謎について、テレビ番組もありました。私は以前からレオナルド ダ・ヴィンチを理想としていたので、この本を読まなくてはと思っていました。あらゆる方面に興味関心を持って素人の立場から敢然と立ち向かう姿勢が好きなんです。

 ただ、仕事が忙しくて読む暇がありませんでした。ようやく時間ができたので、2日間で読みました。予想よりは盛り上がりはありませんでしたが、中に込められていた内容は大変豊かで大きなテーマでした。暗号そのものよりも、キリスト教と女性の存在の受け止め方、そしてイエスと結婚、その子孫等、また聖盃をめぐる様々な解釈等がとても面白かったですよ。最後の方は、作者が逃げを打っている感じがしました。宗教者から命を狙われる危険性さえありますからね。
 昔、ルーブルでモナリザを見たとき、その小ささと地味さにビックリしたのを覚えています。また最後の晩餐も薄汚れていてはっきりしない絵でした。今回、それらの作品を巡り、多くの論争が行われているのを知りました。またイギリスのアーサー王伝説も大変面白かったです。ウエールズに行ったとき、その地の自然の美しさと同時に何か暗い流れも感じました。建物だけではなく、動かしようのない社会関係も含めて。
 とにかく、世の中には考えるに足る素晴らしいテーマがまだまだ存在していることに嬉しくなりました。fushigiを感じたい人にはお勧めの本でした。

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