角田光代の「人生ベストテン」を読んだ
角田光代さんは、普通に生きる人々の微妙な彩を描く作家。今回の「人生ベストテン」も何気ない日常の中で出会うズレや体験をさりげない筆致で鮮やかにさばいていく。
本当に自分にも起こりそうな設定の場を、見事に物語に仕立てていくの感心してしまう。最近は誰かが殺されるような小説より、ずっと楽しめる。「床下の日常」、「観光旅行」、「飛行機と水族館」、「テラスでお茶を」、「「人生ベストテン」、「貸し出しデート」の6篇からなる。
「人生ベストテン」では、同窓会の一夜を描いている。なんとなく、ありそうでありえない体験。夢のような幸せな時間。みんな苦しく、耐えがたい日常をかかえつつ、でも淡々と生きていく。大騒ぎもせずに。最近は何かそれもいいなと思うような歳になってきた。
そう、みんな大変なんだ。生きているってその大変さを、大騒ぎもせずに全部引き受けて、しかもつぶれずにいく抜くこと。普通の人々の日常こそ、小説に値するのかもしれない。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 長岡弘樹の「傍聞き」を読んだ(2012.04.11)
- 有川浩の「図書館内乱」を読み終わった(2012.03.20)
- 沼田まほかるの「9月が永遠に続けば」を読んだ(2012.03.04)
- 有川浩の「レインツリーの国」を読んだ(2012.02.06)
- 高野和明の「ジェノサイド」を読んだ(2012.01.30)



コメント
角田さんは別の雑誌にこの短編を先に発表していたと思います。それを読まれたのではないでしょうか。私も乱読ですが、今のところ、同じ内容の本は読んでいません。もし、見つけたらコメントを書きますね。
投稿: take | 2011.10.02 23:29
角田光代の「人生ベストテン」を読ました。全く同じ話を読んだことがあります。
同窓会で昔の恋人と再会、お鍋の事全部同じでした。
私は乱読なので同じモノを読まない為にタイトル、作者、簡単な感想文をノートしてい
ます。
角田さんの本はこれしか今のところ読んでいません。
知っている方いませんか、気になって気になって読書も集中できません。
助けてください。
投稿: 福田孝志 | 2011.10.02 15:44