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2011.06.23

川上弘美の「センセイの鞄」を読んだ

 何の気なしに選んだ川上弘美の「センセイの鞄」。人生の週末を迎えたセンセイと独身の教え子の恋。淡々と抑えた表現で描いている。しかし、私の受けた感じは、お互いになんと強情な人たちなのかということ。自分の感情に正直ではないし、かといって清廉潔白でもない。何だか中途半端。どうせ一緒になるんだったら、最初から素直になればいいのにって感じ。

 ただ、純文学としては十分に面白い。ミステリーと違った充実感がある。老人と中年を迎えた女性にとっては魅力的だったのかもしれない。自分に当てはめると何だか・・・。この淡い物語とゆったりとした展開は悪くはない。

 現実の問題として、こんな小説の設定が現実のものとしては考えられないが、私の中で納得のいくことは、人の心は年齢とは違うものだということ。

 年齢相応に歳をとるのではなく、その人が自分に当てはめていく枠が年齢となるということ。体も心もそういうことだろう。あきらめてしまった人生は、たとえ年齢が若くても終わりを告げる。

 私の奥さんのおじさんに強烈な眼の光を持った人がいた。彼は老人だった。でも、とんでもないエネルギーと生き生きとして眼をもっていた。人生を面白がっていた。いたずらっ子の眼の光だったかもしれない。私は教員を数十年間やってきたが、あのような眼をした先生は数少ない。

 人を枠にはめるのが教育だと思ってしまうと、そこには創造を生み出すことは難しい。両面を意識しなければならない。自分自身は奔放な生き方をしてきた、あるいはしたいと思ってきた。

 この二人にとって、人生をどうとらえていたのだろう。自分の決めた枠の中で、人とあまりかかわらず、寂しさを隠し、勝手気ままに生きていく。それは安全な道だが・・・。

 でも、そんな人生からわずか数年、逃れることができた晩年は幸せだったに違いない。彼が死んだあと、何の後悔が残ろうか。

 傷つくことを恐れずに前に向かって進めるといいですね。

 小泉今日子と柄本明でテレビドラマ化されたそうだが、またそれは別の作品ということだろう。映画は見ないでおこう。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

 そうですね。いろいろな人生があるのでしょうね。小説はそれぞれの人生を体験しているような錯覚を起こさせてくれます。そうか、そんな生き方もあったのか、そんな人生もあったのか・・・。映画や演劇もそうですが、自分の小さな人生が少し広がるような気がします。面白い本をこれからも探していきたいですね。

投稿: take | 2011.07.21 05:52

私も今日読みました。
ありえない話ではないような気がします。二人にとって、本当に素敵な数年間だったのですね。いいなぁ~と思いました。

Takeさんのおっしゃる通り、人は実年齢では生きていないですね。
強く望んだことは必ずやってくる…そう信じています。

独特の浮遊感は作者の意図するところでしょうね。最後に向かってとてもいい作品だと思えました。いつも傑作を紹介してくださいましてありがとうございます。
Takeさんの速読には付いていけませんが・・マイペースで楽しみます。次は何にしようかな??

投稿: MICKEY♪ | 2011.07.18 22:46

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