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2011.06.04

宮部みゆきの「英雄の書」を読んだ

 宮部みゆきの「英雄の書」。「火車」や「淋しい狩人」と違い、まるでゲームブック、あるいはゲームのシナリオそのものという感じだ。彼女はゲーマーとしても知られていて、かなり熱中してしまうこともあるとのこと。スタッフには止められているとさえ言われている。

 この本は、今までの作品の様に人の心の機微はあまり感じられない。600ページ近いカッパノベルからの作品だが、ストーリーを除くと、心に響く言葉が少ない。私はSF好きだし、ゲームも嫌いではない。ただ、彼女が書きたかったのは、本当に「紡ぐ者」の咎、そしてそれを追及する「狼」なのだろうか。ただ単に、ゲームを禁じられた彼女が、ゲーム禁断症状の中で、自分でゲームを作り上げただけのことだったのではないだろうか。

 物語の構想はいいのだと思うし、テーマ性もあるのだと思う。作家としての役割の問題性も感じているのだろう。でも、なぜこんなに作者の課題が深まらなかったのだろう。せっかく魅力的な題材なのに・・・。新聞小説の難しさなのかな。もっとじっくりゆっくり作品を書く人なのかもしれない。

 素晴らしい力量をもつ作家なだけに、ここで終わってほしくない。ストーリーを追うだけの作家になってほしくない。次の作品を楽しみにしていよう。

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» 宮部みゆき「英雄の書」 [ご本といえばblog]
宮部みゆき著 「英雄の書」を読む。 このフレーズにシビれた。  ヘイトランドは、既に"紡ぐ者"の手を離れてしまっていて、どうすることもできないのか。ならば、"紡ぐ者"というのは ... [続きを読む]

受信: 2011.10.22 10:45

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