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2011.03.26

有川浩の「海の底」を読んだ

 「阪急電車」や「塩の街」で、とても面白かった有川浩。この「海の底」は作者の自衛隊三部作の一つ。海上自衛隊の物語。大変、詳しく事実を調べて書いてあり、事前の調査を大切にする姿勢が伝わってくる。

 想定そのものは荒唐無稽なエビが横須賀に上陸してきて、避難した子どもたちと自衛官の話が中心。エビとの戦い、救出、潜水艦の中、ネット上のやりとり、報道の問題、それと警察、自衛隊、米軍の関係などを組み合わせて作っている。

 仲間に警察や自衛隊、米軍などの役割を担ってもらい、彼らとのやりとりを小説に仕立てていったみたいだ。

 自衛官の夏木、冬原と避難したメンバーの中にいた女子高生、森生望、望につらくあたる圭介、両親が死んでから話せなくなった翔、頭は悪いけれど料理が上手な吉田茂久、その他にも軍事オタクの少年などを配置し、物語は複線型で展開する。

 夏木と望の間に始まる恋も、物語の流れを彩る。「私を忘れてください。」といって去っていく望の言葉の意味。それが後で明らかにされるとき、何とも言えない暖かさが心に浮かび上がる。

 しかし、彼女はなぜ自衛隊三部作を作ろうと思ったのだろうか。二作目を読んだとき、何となく、疑問が浮かび上がる。阪急電車を読んだ私としては、あのすれ違いの繊細さを描いた作者と同じとは思えない印象を受ける。

 図書館戦争のシリーズも読んでみたくなってきた。


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