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2011.02.11

通尾秀介の「月と蟹」を読んだ

 大好きな作家の一人、通尾秀介の直木賞受賞作品、「月と蟹」を読んだ。近くの書店では売り切れだったので、渋谷の紀伊国屋で手に入れた。かなりの数が平積みで置かれていた。
 読み進めていくうちにわかったのだが、これはミステリーではない。悲しい子どもたちの切ない物語。

 多分、どの子どもたちも多かれ少なかれ経験する。全てが自分の思うようにいかない時代。自分が流されていく状況や時間の中で、子どもたちはそれを変える術をしらない。

 逆らうことのできない運命に、私たちは何ができるのか。一瞬の時の切れ目に、私たちが闇をのぞくこともある。月と蟹とはそのことだろう。

 しかし、全てを読み終わったときに胸に残るのは、一人の子どもの悲しさ・・・自分も多分、昔、感じたであろう理不尽な状況における無力感。ある種の絶望感。

 でも、そんな中で、何とか生き抜こうとする子どもたち。未来へのかすかな光を物語の中に通尾秀介は残している。終章には、それまでの流れの全てが凝縮されている。悲しいけれど、そこを通り過ぎてきた私たちの心が共感する。いや、まだ通り過ぎてはいないのかもしれないが・・・。

 結局、現在の自分は、状況を打開できず、その殻の中に閉じこもり、楽しそうに生きている振りをしているだけなのではないか。ヤドカリか・・・。

 また、通尾秀介の新しい可能性を感じることができた。


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