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2010.12.19

伊坂幸太郎の「死神の精度」を読んだ

 伊坂幸太郎の短編集、「死神の精度」を読んだ。これは死神である主人公の千葉が、調査対象の人間の所に来て、死ぬことを「可」とするか、それとも見送るか判定する役割を果たしていく。そのために、対象者と共に時間を過ごし、彼らの人生と寄り添い判断のための情報を収集していく。

 読者は、選ばれたものの人生とその終わりの目撃者となる。私たち自身の人生がどの様な意味をもっているのか、そしていつでも突然終わりを迎える可能性のある「瞬間」を生きていることを痛感させられる。

 今日、元気だからと行って、明日、元気であるとは限らない。今日、精一杯生きない人間は、明日もいいかげんにしか生きられない。私たちは誰もが死に向かって歩んでいく。無駄な時間なんて一瞬もない。この作品の中で生きていた人間たちも、自分なりに精一杯生きていた。

 この本の中のどのエピソードも色々考えさせる内容だった。「死神の精度」、「死神と藤田」、「吹雪に死神」、「恋愛で死神」、「旅路を死神」、「死神対老女」の6編だが、どれも月刊誌用に書いたもの。「旅路を死神」は文藝春秋だが、他はオール読物。ひとつ一つの作品は独立しているが、それぞれが結びついてこそ、この小説の存在価値が生ずる。

 これも読んだことを後悔しない作品の一つだ。次は「砂漠」を読んでみよう。

死神の精度 (文春文庫)

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