« 湊 かなえさんの「告白」を読んだ | トップページ | カナダの動物たち・・・氷河時代の生き残り!ナキウサギに出会った! »

2010.08.10

東野圭吾の「夜明けの街で」を読んだ

 カナダで読んだもう一冊の本が東野圭吾の「夜明けの街で」だ。これは不倫の話。空港の本屋でたまたまあまり重くない本を探していたら、ちょうど良い厚さだったので選んだらこの本だった。

 内容としてはミステリー仕立てで殺人事件の真実を浮かび上がらせていくのだが、それは大きなテーマではない。彼が書きたかったのは夫婦というものの実態とそのとらえ方。わずか40歳なのに、お互いに男でもなければ女でもなくなってしまった夫婦というものを描いている。あそこまで書かれた人の奥さんは辛いだろうなと思ったら、作者は今シングルだとのこと。納得してしまった。

 振り回された男の悲しさが伝わってくるが、救いもある。ただ、それを書いてしまうとネタバレになるので、ここでは書きませんが。

 この本は奥さんの前で読むのはちょっと躊躇いが出てしまう。何も悪さをしていなくても、共感するところがあれば、何となく登場人物に荷担するようで・・・。

 でも、東野圭吾が夫婦関係を、このような姿だけしかないと思っているとしたら、それには異論がある。様々な夫婦がいる。様々な男女がいる。この作品を書いたときの彼の心境は伝わってくるが、それが一般的なものではない。

 夫婦のみならず、人間の関係は作るもの。少しずつ積み重ねたものが痕跡となって残る。どのように生きようと、誰を選ぼうと、そのこと自体に大きな意味はない。男女関係はただの偶然。出会った後に積み重ねて日々作り上げていくことそのものに意味がある。

 山口百恵の歌に、「あーあー、日本のどこかに、私を待っている人がいるー。」と歌われている。私自身はあの考え方には納得できない。待っている人なんかいない。自分でアクションを起こさなければ、何も始まらない。

 ただ、現代の女の子たちはこんな状態ではない。自分から積極的に動き、積極的に社会と関わっている。時代が変わったのだな。夫婦の関係について、久しぶりに考えてしまった本でした。

 

|

« 湊 かなえさんの「告白」を読んだ | トップページ | カナダの動物たち・・・氷河時代の生き残り!ナキウサギに出会った! »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15679/49110713

この記事へのトラックバック一覧です: 東野圭吾の「夜明けの街で」を読んだ:

« 湊 かなえさんの「告白」を読んだ | トップページ | カナダの動物たち・・・氷河時代の生き残り!ナキウサギに出会った! »