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2010.07.10

米澤 穂信の「ボトルネック」、自分の存在を問われる作品

 この本は米澤 穂信が書いた青春小説・・・?いや、自分という存在について、根源的に問いかけている自伝的な小説だと思う。SF的なテーストに加え、推理小説の形を取って読者を引きつける。でも、基本的に私とは何か、私の存在意義とは何かということを、20代の米澤 穂信という人間が突きつけているのだ。

 「ボトルネック」というのは、象徴的な題名。私自身がそのような存在なのでは、ということに思いがいたったとき、私たちはどう生きていこうとするのか。

 私自身、自分の存在について悩んだのは、小学生の高学年から中学生にかけて。何のために生きているのか考え続けたことがある。沢山の本を読んだ。参考になった・・・でも解決しなかった。自分で考えるしかなかった。

 私の出した結論は、私の存在意義などないということ。最初から、この壮大な宇宙の歴史の中で私という一個人が存在する価値などない。でも、だからこそ、自分の存在する意味は自分で作るしかないと思った。ちっぽけな私の世界に積極的に関わることそのものに意味があると思った。それから、私の中の何かが変わり、生き方が変わったように思える。少しずつだけれど・・・。

 この本には、その時の何かを思い出させるものがある。青臭いけれど、必死に考え、生き続けたあの頃。米澤 穂信という人そのものが出ている。この本が面白く感じる人が多いのは当然だと思う。絶望的な小説としてとらえる人も多いようだが、私は、現実の苦悩を突き抜けて生き続ける人々にとって、一つの励ましとして受け止めることのできる小説だと思う。
 
 是非一読を!

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