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2009.11.11

講談社新書の「生物と無生物のあいだ」は最高に面白い知的読み物!

 50になったばかりの青山学院大学教授、福岡伸一の書いた講談社新書の「生物と無生物のあいだ」というこの本は、本当に面白かった。生命とは何かという根源的な問いに答えるもの。全く関係ないとも思えるようなアメリカの町の描写から、本題に入っていく。自然を見つめる鋭い視点が素晴らしい。只者ではない。

 野口英世の意外な実態、またウイルスは生物かという問いに答える内容、DNAをめぐる様々なミステリー、パズル。普段は実像が見えない科学者の生々しい真実。原子はあれほど小さいのに、生物はなぜあれほど大きいのかという話。

 私が特に面白かったのは、重窒素で標識化されたアミノ酸が、摂取された直後に体の全てに組み替えられていくということ。取り込まれたアミノ酸と同じ量のアミノ酸が分解されていくということ。つまり、我々の体は常に組み立て直され、常に分解されて排出されていくということ。体の全ての部分が固定的なものではなく、合成され分解されていく流れの中に存在するということ。

 また、エントロピー増大の法則というのも実に面白い。物理の話だ。全ての物理学的プロセスは、物質の拡散が均一なランダムな状態に達するよう、エントロピー(ランダム・乱雑さ)最大の方向へ動くということ。そこに達すると終わる。生物にとっては、それが死を迎えるということ。生物はそれを防ぐために有機化合物(食料)を取っているということ。エントロピーが拡大することを防ぐために食事をするということだったのだ。

 生命とは代謝の持続的変化であるというシェーンハイマーの見方は大変面白かった。筆者は「生命とは動的平衡にある流れである」と定義している。これは自分自身のとらえ方さえ変えてしまうインパクトのあるものだった。

 さらに小胞体の話も最高に面白く、興味津々と読むことができた。「内部の内部は外部」という考え方も示唆に富んでいる。

 タンパク質分子の全体の欠落より、部分的欠落の方がより大きな害を与えるというのも面白い。まるで折り紙のように織り込んでいくときの少しのずれが折りたためば折りたたむほど影響がおおきくなっていくという例えも納得できた。

 生命は物理法則に基づいて構成されている。欠落しても別回路で修正する。ちょっとやそっとでは壊れない巧妙な仕組みをもっている。いったい、だれがどのように、この仕組みを作り上げたのだろうか。存在と、時間こそ、神に相当する。

 この本は、新書大賞、サントリー学芸賞のダブル受賞を受けているそうだ。生半可な小説よりはるかに面白い。幸せな時間を過ごした。

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