今回の「座頭市/2物語」-夢追人のララバイでは、いくつかの新しい試みがあった。
まず、脚本が石森史郎さんだったこと。また、ゲスト出演者が3人、さらに新メンバーがいたということ。また、バックの映像がかなり物語の進行に関わりをもってきたということ。またチケットが会員登録すればネットから予約でき、セブンイレブンで購入できるようになったこと。
石森史郎さんは「必殺仕事人」や「旅の重さ」、「同棲時代」、「愛と誠」などを手がけ、多くの賞を獲得している。
今回のストーリーとしては最初にあった見事な殺陣から始まり、時代を飛び越える展開。いつもながら破天荒な設定の中で物語が進む。細かい内容はまだ今日最終日なので書けないが、笑いと涙の中に、最後は優しい気持ちになれる流れ。
個性豊かだったのはゲスト出演者。それぞれの良さが生きていた。西口プロレス、「どんだけー」のグレート乙羽屋も存在感があったが、ハッサンの田渕邦典も台詞や動きに特徴が出ていた。親方役の辻本修作(櫂シュウ)さんも体を張って手慣れた演技をしていた。さすがにそれぞれ自分たちの劇団で頑張っているだけあって、動きや台詞に安定感があった。
また星野君も台詞の多さをものともせず、また身の軽さを生かし、鳶職としての動きをさわやかに表現していた。もちろん、座頭市の山北龍二も頑張っていた。殺陣はさすがとしか言いようがなかった。彼しかあの役はできないだろう。座長の青木隆浩さんは安心してみていることができる。台詞もわかりやすい。ダンスは頑張っていたが、もう少しインパクトのある動きが欲しい。ダンスでも笑わせて欲しいな。女性陣は3人とも特徴が出ていて良かった。
バックの映像は大変効果的。手配写真のところで観客がかなり沸いたことでもインパクトを与えることがわかる。バックに程よく流れる動画は、大道具がほとんどない中で意味があったと思う。後ろの動画作成の技術がさらに上がると、動画の中から人が現れたり、動画とやりとりする設定も出てくるのかもしれない。生身の人間と動画の展開が双方合間っての新しい演劇の可能性を感じさせてくれる意味もあった。
丁度いい人数で作られているこの劇団、あまり守りに入らず、失敗を恐れない新しい展開をこれからも試みて欲しい。また春の公演を楽しみにしている。