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2006.05.27

デセプション・ポイントについて

 ダビンチ・コードで有名なダン・ブラウンの三作目のデセプション・ポイントを読んだ。NASAに絡んだ小説でこれも、いかにもハリウッド映画になりそうな内容だった。ダン・ブラウンは権威といわれるものをうまくまな板にのせていく。大統領やNASA、そしてカトリック教会などに対して恐れずにその問題点を指摘していく。権力を持つ物に対して立ち向かう一個人の活躍をサスペンス仕立てで描く。実際にはあり得ない困難を乗り越え、強大な権力に一泡吹かせる快感を読む者に与える。登場させる材料も面白い。今回は隕石だ。小説を書く前に様々な調査をし、その材料を上手に調理している。

 しかし、問題点も見えてくる。本作品は隕石の中にある化石やその組成内容が地球に関連する物質ではないとする根拠がこちらに伝わらない。ダン・ブラウンは当然調べてわかっているのだろうが、こちらは最初から知らないのだから、根拠を示されてもそんなものかとしか思えない。単純に見抜けないのが変だなと思ってしまう。そこらへんで、読んでいる最中に中に入り込めなくなってしまう。本当っぽくはないが、「まあ、いいか。」と思いながらストーリーを追う感じ。
 小説を書くときの難しさが見える。特に現実の組織を出しながら、その問題点を指摘する裏の流れがあるのだから、やはり迫真の内容にできたら良かったと思う。ダビンチ・コードの方が下調べが行き届いている感じがした。
 でも、彼の書く小説にはいかにも若々しいエネルギーを感じる。これからも注目していく作家の一人と言えよう。

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